すい臓がん、肝臓がん、胃がんの最新治療法のメリットと問題点

前立腺がんでは保険適用になったロボット手術は、他のがん手術に対しても合併症リスクが低下できることが分かってきた。そのため、胃がん、大腸がん、食道がん、肝臓がん、すい臓がんに対しても、ロボット手術で施術される症例が増えている。

例えば胃がん手術の場合、胃がん患部周囲のリンパ節を切除する際に電気メスの熱が原因で、膵臓が損傷を受け、て炎症を起こしたり、膵液漏になることがある。しかし、ロボット手術で膵液漏が発生するリスクは激減できる。執刀医が3次元画像で奥行きを把握しながら切除できるため、周囲の臓器の損傷を最小化できるのだ。

従来の手術法では一定の率で発生した合併症を、ロボット手術ではかなり減らせることが患者のメリットなのだ。問題は、自由診療の扱いとなるため、入院,検査の費用も全額が患者負担となり、総額で300万円以上の治療費が必要となってしまう。

今後は、前立腺がんだけでなく、胃がん、大腸がん、食道がん、肝臓がん、すい臓がんへの保険適用が待たれる。

治療パッチを3時間貼る新がん治療法

皮膚がん治療に、パッチを貼るだけの新しいがん治療法が開発された。全インド医科学研究所が発表した。

新治療法は基底細胞がんに適用される。基底細胞がんは、皮膚がんの中でも死の危険性は低いものの、患者数が最も多い皮膚がん。治療方法は放射性リン(32P)を使用したパッチを貼るだけで、手術や放射線照射などと比べて非常に安価で入院の必要もない。貼るだけなので、傷も残らない。

臨床実験では、顔に基底細胞がんのできた被験者10名を対象に実施された。皮膚がん患者の患部に治療パッチを3時間貼り、同様の処置を4日後と7日後に繰り返した。結果として、3か月後の検査では全員の基底細胞がんが消滅した。しかし、6か月後の再検査では、2名の被験者が再発した。

今のところはまだ実験が小規模なので、実用化までに広範囲な研究が必要とされている。悪質な皮膚がんとされるメラノーマ治療への展開が期待される新治療法だ。