胃がん発症原因とがん幹細胞

胃がんを発症させる最大の原因と目されるメカニズムが解明された。

胃がんの多くの原因が胃の中に感染・増殖するピロリ菌であることは、既に研究者だけでなく、多くの一般人が知っていることだ。しかし、ピロリ菌による胃がん発症の仕組みは、これまでは不明で胃がん発症との因果関係しか解かっていなかったのだ。

新発見した研究では、ピロリ菌ががん細胞を作り続ける「がん幹細胞」に働き掛けることで胃がんを発症させているメカニズムを解明したのだ。ちなみに現在でもピロリ菌は簡単な感染検査で発見でき、錠剤の摂取のみで容易に治療が可能になっている。この新しい解明成果によって、新たな胃がんの予防法や胃がん治療、胃がん新薬の開発が前進する可能性が高まっている。

研究は慶応大のチームが米医学誌に発表した。

肺がん新検査法の有用性を実証

犬には肺がん患者を嗅ぎ当てる高い能力があることが証明された。簡単な検査で肺がんを早期発見できるようになる可能性が高まっている。

昔からがん患者の側の犬が奇妙な行動を取る事例は多く、 2011年にはドイツの研究チームが実施した検証実験でも小規模ながら成果が上がっていた。

オーストリアで実施された犬による肺がん検査では、 120もの呼気検体の中から70%という高い確率で肺がん患者を嗅ぎ当てたのだ。犬による肺がん検査の最終目標は病院で犬が肺がん検査をすることではなく、犬が検知している肺がん特有の臭いを突き止めることとされている。

がんに特有の臭いが判明すれば、近い将来に電子的な臭気センサーによる簡単な肺がん検査が可能となるだろう。そうすると、肺がん検査が飛躍的に簡便になり、肺がんの早期発見早期治療が容易になることから、肺がん患者の完治率、生存率が劇的に向上するに違いない。

オーストリアの共同研究チームが5日発表した試験的研究の結果で、 肺がんの臭いからがんを判別する人工鼻は米国のMITでも研究が進められている有望ながん診断技術なのだ。